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とごる

東海地方にある方言の1つに,とごる,という表現がある.偏って淀んでいること,濁っていること,沈殿していること.これらは基本的に液体に対して表現される感覚だと思う.

撹乱のない湖の水は不純物が沈殿することで透明度が高くなる(多分).その静けさをして怜悧たる美しさとすることはできると思う.或いは,詩歌もまた心の液体に飽和した結晶かもしれない.条件を変えたからこそ見えてくるもの,条件が変わらないから見えてくるもの.

エセ科学の一種にEM菌があるけれど,あれは生態学的な感覚に由来している気がする.具体的には,やろうとしていることは下水処理的なことに近い.ただそのアプローチが全く科学というプロセスに倣ってないことと,何をしたいかということがその行為の正当化に全く役に立たないのが致命的なのだけれど.

雨雪は空気のとごりであり,これら文章は僕の心のとごりである.もし誰かの同様の言葉を読むのなら,その言葉がどのように結露したものなのかに想像を巡らせたいと思う.